最終更新日:2026年9月15日
先に結論
迷ったら、下の表で自分の状況に近い行を見てください。 当方は無料プラグインを配布している立場ですが、 月額サービスのほうが適している条件もはっきり書きます。
| あなたの状況 | 向いている方法 |
|---|---|
| 月に数件だけ発行する | 標準機能+Excelの手作業でも回る |
| 月に数十〜数百枚、画面から1件ずつ出したい | 無料プラグイン |
| 台紙づくりの時間が取れない | 無料プラグイン+台紙の作成代行 |
| 夜間に自動で大量出力したい | 月額サービス |
| 監査ログを長期保管する必要がある | 月額サービス |
そもそも kintone の標準機能では帳票を出せない
kintone にも印刷機能はありますが、これはレコードの詳細画面をそのまま印刷するものです。 見積書や請求書の様式にはなりません。取引先に出せる体裁にするには、 結局どこかで「決まった様式に値を流し込む」仕組みが必要になります。
その結果、多くの現場が次の手順をくり返すことになります。 kintone からCSVを書き出す → Excel の様式に貼る → 体裁を直す → PDFにする。 1件あたり5分でも、月50件なら4時間以上が消えます。
選択肢は4つ
| 方法 | 費用 | 出力枚数 | 自動出力 | 向いている規模 |
|---|---|---|---|---|
| ① 標準機能+手作業 | 0円 | 制限なし(人力) | なし | 月に数件まで |
| ② 無料プラグイン | 0円 | 制限なし | なし | 月に数十〜数百枚 |
| ③ 無料枠のあるサービス | 0円〜 | ページ数に上限 | サービスによる | 帳票が短いもの |
| ④ 月額のサービス | 月額7,000円〜 | プランごとに上限 | あり | 大量出力・統制要件あり |
① 標準機能+手作業(CSV → Excel)
費用はかかりません。すでに Excel の様式があるなら、今日から使えます。 月に数件しか発行しないなら、わざわざ仕組みを入れる必要はありません。
問題になるのは件数が増えたときです。転記のたびに貼り間違いのリスクがあり、 様式を直したときに過去分と体裁が揃わなくなります。 「毎月同じ作業をしている」と感じ始めたら、切り替えどきです。
② 無料プラグイン
台紙となるPDF(罫線と見出しだけの空の帳票)を用意し、その上にレコードの値を重ねる方式です。 当方が配布している 帳票出力プラグイン もこの方式で、無料・会員登録不要で使えます。
できること
台紙PDFへの値の配置/サブテーブル(明細)の出力/テンプレート3種類の使い分け/ レコード画面のボタンから出力
できないこと
時間を指定した自動出力/数万枚規模の一括出力/監査ログの長期保管。 画面から1件ずつ出す使い方が前提です。
制限は「テンプレート最大3種類」「PDFをアップロードする場合は1テンプレートあたり3MBまで」です。 見積書・納品書・請求書の3種を1つのアプリで使い分ける、という使い方はちょうど収まります。 4種類以上を1アプリで扱いたい場合は、アプリを分けるかサービスの利用を検討してください。
③ 無料枠のあるサービス
一定の範囲まで無料で使えるサービスもあります。たとえば ReportsConnect は、 3ページまでのPDF出力であれば無料で利用でき、4ページ以上を出す場合に有料プランが必要になります。
帳票が3ページに収まるなら現実的な選択肢です。 一方で、明細が多くページ数が読めない帳票(工事の内訳書など)では、 途中から有料に切り替わる前提で考える必要があります。
④ 月額のサービス
kintone の帳票サービスで最も広く使われているのが、トヨクモの PrintCreator です。 2026年9月時点の公開料金は次のとおりでした。
| プラン | 月額 | 年額 | 無料出力枚数 |
|---|---|---|---|
| ライト | 7,000円 | 84,000円 | 5万枚/月 |
| スタンダード | 12,000円 | 144,000円 | 5万枚/月 |
| プレミアム | 18,000円 | 216,000円 | 5万枚/月 |
| プロフェッショナル | 30,000円 | 360,000円 | 5万枚/月 |
| エンタープライズ | 35,000円 | 420,000円 | 5万枚/月 |
このほか、ユーザーライセンスの追加が月額15,000円/1ライセンス〜、 出力1万枚の追加が月額10,000円といったオプションがあります。 プランによって使える機能が異なるため、 公式の料金ページ で最新の内容をご確認ください。上表は2026年9月15日時点の記載にもとづくものです。
枚数の上限が大きく、時間指定の自動出力にも対応しているため、 発行量が多い会社や、基幹業務として帳票を回している会社には合理的な選択です。 サポートが契約に含まれる点も、社内にkintoneを見る人がいない場合には効いてきます。
3年使ったときの費用差
月額サービスは、使い続けるかぎり費用が発生します。 ライトプラン(年額84,000円)と、無料プラグインを3年使った場合を並べます。
| 方法 | 1年目 | 3年間の合計 |
|---|---|---|
| 月額サービス(ライトプラン) | 84,000円 | 252,000円 |
| 無料プラグイン(自分で設定) | 0円 | 0円 |
| 無料プラグイン+台紙の作成代行 | 39,800円 | 39,800円 |
代行は1回かぎりの費用です。納品後の変更はご自身でできるよう手順書をお渡ししているため、 2年目以降の費用はかかりません。
無料で足りない3つのケース
次のどれかに当てはまる場合は、無料プラグインでは要件を満たせません。 月額サービスをご検討ください。無理におすすめはしません。
- 時間を指定した自動出力が必要:毎月末に全件を自動でPDF化したい、 といった運用は無料プラグインでは実現できません。
- 月に数万枚を出力する:画面から1件ずつ出す方式のため、 大量出力の運用には向きません。
- 監査ログの長期保管や内部統制の要件がある:いつ誰が何を出力したかを 長期に残す仕組みは持っていません。
逆に、日々の見積書・請求書を担当者が画面から出す、という使い方であれば無料で足ります。 中小企業の帳票運用の多くはこちらです。
実際につまずくのは「台紙づくり」です
ここまで費用の話をしてきましたが、無料プラグインを選んだ人が実際に手を止めるのは、 機能ではなく次の作業です。
- 罫線と見出しだけの台紙PDFを、Word や Excel で作る
- 台紙の上に項目を置き、1px 単位で位置をそろえる
- 文字サイズ・書体・明細の行数と行の高さを調整する
- 台紙を差し替えたときに、ずれた位置を直す
社内の担当者が半日〜1日かけて試行錯誤することになる部分で、 しかも完成する保証がありません。 当方はこの作業だけを 39,800円〜で代行 しています。プラグイン本体は無料のままです。
まとめ
- kintone の標準機能だけでは、様式どおりの帳票PDFは出せない
- 月に数件なら、Excelの手作業でも回る
- 月に数十〜数百枚を画面から出すなら、無料プラグインで足りる
- 自動出力・数万枚規模・監査ログが必要なら、月額サービスを選ぶ
- 無料を選んだ場合、費用ではなく「台紙づくりの時間」が最後の壁になる
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